業務フロー視点での属人化や二重入力などの課題解決のための改善ロードマップ
- Feb 11
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現場のヒアリングでよく聞かれる課題に「属人化」「二重入力」「承認の滞留」「データ不在」「ツール乱立」があります。これらは中小企業の業務効率化やDX支援を進める上で大きな障壁となっています。これらの問題を解決するには、業務フローを視点に置き、どの工程を可視化し、どのKPIを設定し、どのような段階的な改善ロードマップを描くかが重要です。
この記事では、属人化解消や生産性向上を目指す中小企業の経営者や管理部門、情報システム担当者に向けて、具体的な改善の進め方を紹介します。

目線の高さから見た業務フロー図のホワイトボード。業務の流れを可視化し、改善ポイントを整理している様子。
業務フロー視点で課題を整理する理由
属人化や二重入力は、単に作業の非効率だけでなく、情報の抜け漏れやミス、承認遅延による業務停滞を引き起こします。ツールが乱立している場合は、情報システムの連携不足も問題です。これらをバラバラに捉えるのではなく、業務フロー全体の視点で整理することが解決の鍵です。
業務フローを可視化することで、どの工程が属人化しているか、どこで二重入力が発生しているか、承認が滞留しているポイントはどこか、データが不足している箇所はどこかが明確になります。これにより、改善の優先順位がはっきりし、効果的なDX支援や業務改善が可能になります。
まず可視化すべき工程とKPIの設定
1. 可視化すべき工程
情報入力工程
二重入力が起きやすい部分。どのシステムにどの情報を入力しているかを洗い出す。
承認フロー
承認の滞留が発生しやすい。誰がどの段階で止めているかを明確にする。
データ管理工程
データ不在や情報の断絶が起きている箇所。どのデータがどこにあるか、またはないかを確認。
ツール利用状況
どのツールがどの業務で使われているか、重複や無駄がないかを整理。
2. KPIの例
入力作業時間の短縮率
二重入力を減らすことでどれだけ時間が削減できたか。
承認遅延時間
承認にかかる平均時間を計測し、改善前後で比較。
データ活用率
必要なデータが適切に活用されている割合。
ツール統合率
複数ツールの統合や削減による効率化の度合い。
これらのKPIを設定し、定期的にモニタリングすることで、業務改善の効果を数値で把握できます。
最小構成の改善ロードマップ
業務改善は一度に全てを変えるのではなく、段階的に進めることが成功のポイントです。ここでは2週間、6週間、3か月の3段階で改善を進めるロードマップを提案します。
2週間で取り組むこと
業務フローの現状把握と可視化
現場ヒアリングを通じて、属人化や二重入力が起きている工程を洗い出す。ホワイトボードやフローチャートで業務フローを図示。
KPIの設定と共有
具体的な数値目標を決め、関係者に共有。例えば「入力作業時間を20%削減」など。
ツール利用状況の調査
現状のツール一覧と利用状況を整理し、重複や無駄を把握。
6週間で取り組むこと
属人化解消のための標準化
業務手順書やマニュアルを作成し、誰でも同じ作業ができるようにする。
二重入力の削減策を実施
システム連携や入力フォームの統合を検討し、簡単な自動化ツールを導入。
承認フローの見直し
承認者の役割を明確にし、承認遅延を防ぐためのルールを設定。
KPIの中間評価
2週間目に設定したKPIをもとに進捗を確認し、必要に応じて調整。
3か月で取り組むこと
情報システムの統合・最適化
複数のツールを統合し、情報の一元管理を進める。中小企業DXの観点からも重要。
業務フローの自動化拡大
RPAやワークフローシステムを導入し、手作業を減らす。
継続的な改善体制の構築
定期的な業務フローの見直しとKPIのモニタリングを組織に根付かせる。
生産性向上の実感共有
改善効果を社内で共有し、成功事例として展開。
実際の改善事例
ある製造業の中小企業では、属人化が進み、特定の担当者しかできない工程が多くありました。まず業務フローを可視化し、属人化している工程を特定。次に標準化マニュアルを作成し、二重入力を減らすためにExcelと基幹システムの連携を実現しました。承認フローも見直し、承認遅延が平均3日から1日に短縮。3か月後には生産性が15%向上し、情報システムの統合も進みました。
このように、段階的に業務フローを見直すことで、属人化解消や業務効率化が実現できます。
