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要望を目的・対象ユーザー・利用シーンから整理するための実践ガイド

  • Feb 14
  • 4 min read

新規事業や0→1のプロダクト開発支援において、要望をそのまま機能に直結させると、開発のスコープが膨らみやすく、結果としてプロジェクトが迷走することがあります。PMや新規事業責任者が直面する課題の一つに、要望の整理とスコープ管理があります。この記事では、要望を「目的」「対象ユーザー」「利用シーン」から整理し、Must/Shouldの切り分けや合意形成の進め方まで、実践的な方法を解説します。



目線の高さから見たホワイトボードに書かれた要望整理の図
要望を目的・対象ユーザー・利用シーンから整理する図

目線の高さから見たホワイトボードに書かれた要望整理の図



要望を機能に直結させない理由


多くのプロジェクトでは、ユーザーや関係者からの要望を聞くと、すぐに「この機能を追加しよう」と考えがちです。しかし、これがスコープの肥大化や開発遅延の原因になります。要望はあくまで「何を実現したいか」の表現であり、その背景にある目的や対象ユーザー、利用シーンを理解することが重要です。


例えば、「チャット機能をつけてほしい」という要望があった場合、単にチャットを作るのではなく、


  • なぜチャットが必要なのか(目的)

  • 誰が使うのか(対象ユーザー)

  • どんな状況で使うのか(利用シーン)


を整理することで、より適切な要件定義が可能になります。



目的・対象ユーザー・利用シーンから要求整理を始める


目的を明確にする


目的は「なぜその要望が出ているのか」を示すものです。目的が明確であれば、要望の優先度や必要性が判断しやすくなります。


  • 例:顧客サポートのレスポンスを早めたい

  • 例:ユーザー同士のコミュニケーションを活性化したい


目的を整理する際は、関係者全員で共通認識を持つことが大切です。目的が曖昧だと、後で仕様変更や認識のズレが起きやすくなります。


対象ユーザーを具体化する


対象ユーザーを明確にすることで、機能の設計や優先順位が変わります。ユーザーの属性やニーズを理解し、ペルソナを作ることも有効です。


  • 例:若年層のSNS利用者

  • 例:社内の営業担当者

  • 例:初めてサービスを使うユーザー


対象ユーザーが異なれば、同じ要望でも実装方法やUI/UXが変わることがあります。


利用シーンを想定する


利用シーンは、ユーザーがどのような状況でその機能を使うかを考えます。これにより、機能の必要性や優先度、制約条件が見えてきます。


  • 例:外出先でスマホから簡単に操作したい

  • 例:夜間に緊急対応が必要な場合

  • 例:複数人で同時に使う場面


利用シーンを具体的に描くことで、無駄な機能追加を避け、スコープ管理がしやすくなります。



Must/Shouldの切り分けでスコープを固定するコツ


要求整理の次は、要件定義の中でMust(必須)Should(推奨)を明確に分けることが重要です。これにより、開発の優先順位がはっきりし、スコープ管理がしやすくなります。


  • Must

プロダクトの目的達成に欠かせない機能や要件。これがなければリリースできないもの。


  • Should

あると便利だが、リリースを遅らせるほどの優先度はないもの。将来的に追加検討。


切り分けのポイント


  • 目的や対象ユーザーのニーズに直結しているか

  • 利用シーンで必須の機能かどうか

  • 開発リソースや期間とのバランス


例えば、チャット機能の例で言えば、「ユーザーがメッセージを送受信できること」はMustですが、「メッセージにスタンプを送る機能」はShouldに分類できます。



合意形成の進め方


要求整理や要件定義は、関係者間の合意形成が欠かせません。特に新規事業や0→1のフェーズでは、方向性が固まっていないため、合意形成に時間がかかることもあります。


合意形成をスムーズにするポイント


  • 目的・対象ユーザー・利用シーンの共有

最初にこれらを全員で確認し、共通認識を持つ。


  • Must/Shouldの基準を明確にする

何を必須とするかを全員で合意。


  • ドキュメント化して見える化

要求整理の結果をドキュメントにまとめ、関係者に共有。


  • 定期的なレビューと調整

状況に応じて見直しを行い、ズレを早期に修正。


  • 対話を重視する

意見の違いは対話で解消し、納得感を高める。



実践例:新規事業での要求整理


ある新規事業のPMが、ユーザーから「簡単に予約できる機能をつけてほしい」という要望を受けました。すぐに機能設計に入るのではなく、以下のように整理しました。


  • 目的

ユーザーの予約手続きを簡単にして離脱を減らす。


  • 対象ユーザー

30代の忙しいビジネスマン。


  • 利用シーン

通勤時間や休憩中にスマホから予約を完了したい。


この整理から、Mustは「スマホ対応の簡単予約フォーム」、Shouldは「予約変更やキャンセル機能」と決定。結果として、スコープが明確になり、開発もスムーズに進みました。



要求整理とスコープ管理はプロダクト開発支援の基本


新規事業や0→1のプロダクト開発支援において、要求整理はプロジェクトの成功を左右します。目的・対象ユーザー・利用シーンから要望を整理し、Must/Shouldを切り分けることで、無駄な機能追加を防ぎ、スコープ管理がしやすくなります。PMはこのプロセスを丁寧に進め、関係者との合意形成を大切にしてください。


 
 
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